あまりかたちのわからないもの

別に人生遠回りしてもいいかなっていうブログ

ポジティブな言葉ってくくられやすい

 

タイトルの通りです––––

 

明確に浸透はしていないんだけど、聞いたことがあって、ていう言葉。つまり聞こえがいい言葉って、わりと同類とみなされるようなものならば、意外とその意味や違いをスルーしがちなこと。

 

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たとえばなんだろう、、、

 

あ、「ビーガンとオーガニック」とか?

 

 

 

ふと、ビーガンって聞くとベジタリアンよりも敷居が高く、絶対的な菜食主義だ、、、と少し構えがちになってしまうかもしれませんが、ふつうに肉と魚以外は食べない人を指します。ついでに、野菜が思い浮かぶので健康そうとか意識が高いとか思う人もいるかもしれません。

 

また、オーガニックって聞くと、なんだか健康そうだなとか、体に良さそう、いい生活してそうなどミーハーなイメージを持つ人も少なくないでしょう。でもそんな感じの意味です。

 

まあここまでは別にいいんです。

 

 

では例えばビーガンレストランがあるとしましょう。

ビーガンレストランと聞くと、おそらく「絶対菜食主義の人たちがよく行くお店=野菜料理が提供される=体に良い」というイメージを少なくとも持つでしょう。

 

しかし、こういう可能性もあります。

ビーガンレストランでも使用している材料はオーガニックではないかもしれないということ。

 

つまり、肉と魚を食べずに野菜が提供されていればビーガンと言えるので、その質がオーガニックでなくともビーガンレストランは成立します。

 

ビーガンと聞いて体にいいイメージを持っていたとしても、「オーガニック」とまで言ってなければ農薬まみれで育った野菜を使用している可能性があるということです。ビーガンだからって自動的にそれがオーガニックだなんてことはないのです。

 

その点オーガニックは、野菜に限らず肉も指すので、幅広くカバーしています。

 

 

 

つぎに「オーガニックと無添加」はどうでしょう。

 

オーガニックってつまりなんだ?

国際的な規模で有機農業推進活動を行っているIFOAM( 国際有機農業運動連盟) は、オーガニックの原則として「生態系」「健康」「公正」「配慮」の4項目を掲げています。 

 

環境の保全 化学農薬や化学肥料を使わずに、水、土、大気を汚染から守ります。
健康な生活 保存料や着色料などの添加物をできる限り低減し、食品の安全性を確保します。また、化学的な染料や塗料を使用せず、アレルギーのない生活を目指します。
自然との共生 自然の動植物を守り、生物多様性保全します。
身土不二 適地適作・地産地消で、地域の文化を大切にします。
健全な社会 児童労働の禁止、植民地栽培の排除、南北格差の解消など、人を大切にする社会を実現します。

オーガニックとは|有機とは環境自然との共存|JONAより抜粋

 

 

①化学農薬や化学肥料などの化学由来の栽培方法から脱することで、水や土壌、空気の汚染を防止

②保存料や着色料の使用を極力抑え、食品の安全性を確保。また食品だけでなく染料や塗料に関しても同様

③健全な栽培方法による生態系の保全生物多様性の確保

④大規模な輸出入から脱し、地産地消によるコンパクトなマーケットの創出

⑤貿易や労働環境の格差による産業植民地主義からの脱却

 

すべての要素はつながっていて、それぞれがとても大事です。

 

ただ、ここで注意すべきなのは、オーガニックだからといって保存料や着色料の使用を極力低減させとあるように、ゼロではないということです。逆にもうひとつは、食品だけでなく、たとえばTシャツなどの綿製品など、染色や塗装が必要なものに関しても使用される言葉だということです。農薬が使用された綿によって編まれたTシャツではきっと肌が荒れたりしてしまうことでしょう。口に入らずとも肌に触れたり、体に触れたりするものは少なからず影響があることは想像に容易です。

 

人間と同じように土壌や水に関しても、化学肥料や農薬が撒かれた土ではその後の土の回復に大きな影響を及ぼしたり、化学肥料によって必要以上の不要な窒素が発生し、それが温室効果ガスの発生につながっているなど、環境の健康への配慮も大切です。というかそれが全てです。

 

また、いくらいい状態で生産されてもその後の流通に配慮が欠けていると元も子もありません。

地産地消」が近年言われているのは、もちろん地元の農家の人の生産したものを食べよう、距離感を感じようなどと気持ち的なこともありますが、もっとグローバルに考えれば、輸送に関わるデメリットが大きいことに由来するでしょう。

 

たとえばバナナが有名なフィリピンとエクアドルでは、そのバナナのすべてがオーガニックに切り替わったことができたとしましょう。

するとおそらくオーガニックの価値自体が下がることはなく、しかし全体的に均一な価値基準をもち、フィリピン産やエクアドル産のオーガニックバナナがあたりまえのように流通します。

この時に発生するのが世界がそのバナナを求めて輸入することです。

すると航空機によって各地へ、各国内では自動車や鉄道によって運ばれるようになり、輸送による環境への負担は不可避となります。この先、バイオマスによる燃料や有害な物質の排出率の低い燃料が開発されそれが一般的になれば話は変わるかもしれませんが。

 

そしてそれと関連して、輸出する国があれば輸入する国もあるということです。前述のバナナの話に戻って、フィリピンでのオーガニックバナナの生産が世界一位になったとします。すると、GDPや資金力のある外資系の企業はそのバナナの価値に目をつけて国内へ進出してくることでしょう。価値があるところには金が集まります。しかし、そのお金が集まる先は現地の人々ではなく、ほぼ必ず進出してきた人たちなのです。さらに、いわゆる発展途上国における特産物の価値が上がれば上がるほど、また、発展途上国が発展しきらない限り、彼らの労働コストは低価格で取引され続けることになります。これが地産地消に関連して起こりうる、産業植民地主義的な現象です。

 

だいぶ話が逸れました。

 

オーガニックって深いですね。

いまのはわりと適当なので気になる人はさらに調べてみてください。

 

さて、先ほど「無添加」という言葉が出てきました。

はい、ここで「オーガニックと無添加」についてです。

 

先ほどの表のように、オーガニックは着色料などを極力低減させる努力をしていることというふうに捉えることができましたが、「無添加」に関してはどうなのでしょうか。

 

国語的には、「無-添加」となるので、添加の意味が

別の物を加えること。また、別の物が加わること。

添加(テンカ)とは - コトバンク

 

と知っていれば、この問題は回避できそうですね。ん?ほんとうですか?

 

本当に、無添加は「何も添加されてないこと」でしょうか? 

 

もう一度コトバンクを見てみます。

 

防腐剤・着色剤などの添加物を加えていないこと。

無添加(ムテンカ)とは - コトバンク

 

 防腐剤や着色料などの添加物とは何を指すのでしょうか。曖昧ではありませんか?

また、すべてのそのような添加物を指すのでしょうか?

 

もう一度、お世話になります。

 

食品の製造過程において,また加工,   保存の目的で,添加,混和されるもの。香料など天然のものもあるが,そのほとんどは化学合成品で,その使用に関しては食品衛生法で規定されている。 1989年に食品添加物の表示に関して大幅な改正が行われ,化学的合成品である食品添加物のすべてと,従来は法規制の対象外であった天然添加物も全面表示が義務づけられるようになった。食品の嗜好性を高めるもの,変質,変敗を防ぐもの,栄養を強化するもの,品質を改良し一定に保持するもの,製造に必要なものなどがあるが,いずれも安全性が確認され,長期にわたって連続摂取しても身体に障害のないことが必要である。

食品添加物(しょくひんてんかぶつ)とは - コトバンク

 

無添加」とだけ書いてあるパッケージを本当に信用して良いのでしょうか。

無添加」という表示はどのような時に使われ店頭に出ているのでしょうか。

 

––––––– 一般的に添加物が使用される製品について添加物を使用していない場合に、使用していない旨の表示をすることは差し支えありません。

 

–––––––無添加」とだけ記載することは、何を加えていないかが不明確なので、具体的に記載することが望ましいです。

 

––––––– 一部の添加物を使用してない旨を強調して表示することも、添加物使用の意義や有用性、安全性に対する誤解を招くとともに、添加物を用いた加工食品全般に対する信頼性を低下させるおそれがありますので、好ましくありません。

表示する添加物がないときは、「無添加」、「不使用」と表示できますか。 | 表示に関するQ&A | ふじのくに食品表示ガイド

 

ひとつ目は、一般的に添加物が使用される製品がよくわからないのだが、それについて添加物を使用していない場合は「無添加」と表示できる。

ふたつ目は、「無添加」とだけ表示してあるのでは、なにが添加されていないのかが不明なのでよくない。

みっつ目は、そんなに強調して「無添加アピール」をするな。

 

こういう解釈や説明を見ると、添加物が産業革命の一つだということがよくわかります。

 

いま、気づいたが「オーガニック」と「無添加」を比べる時、気をつけたほうがいいのは、オーガニックは栽培や生産過程における状態や概念を指すのに対し、無添加は加工製品など二次的な工程において使用されるということではないかと思います。

 

 

すっごいずれたが、言葉の綾というか印象や先入観で判断するとのちのち後悔したり、勘違いしたまま損していたりすることも少なくないかなあと思います。とくに食品などは口に入るものなので、しっかりとした知識をつけていきたいものです。

 

次回はありきたりだが、意外と忘れたりよくわかんなくなるあの表示をまとめてみましょう。