あまりかたちのわからないもの

別に人生遠回りしてもいいかなっていうブログ

こじんりょく

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ゴールデンウィーク中、丸の内で楽しそうなイベント。

題して、たぶん、「丸の内アートピアノ」

 

アートディレクターの千原徹也さんがデザインしたこのピアノ。

 

こんな風景はよくYoutubeでヨーロッパあたりですごい上手い人が引いていたりする様子がアップされていたりする。

個人的には日本では、ストリートパフォーマンスだったりといわゆるストリート文化があまり発達していないと感じる。いや、形としては音楽を志す若いものがギターを抱えて路上で歌っているとか、少し路地でダンスの練習を何人かでやっていたりとか、どこか極端な方向に思える。

前者は音楽への夢としての死に物狂いの路上ライブ、後者は複数いる上に練習という名目だから恥ずかしさとかもないし、しかも路地とかあまり周りから見えにくいところでやってるケースが多い。

 

最近ではフラッシュモブと呼ばれる団体でのパフォーマンスが話題になったりもしたが、これも複数で行う上に、「通りすがりの人を喜ばせる」という一つの明確な目的があり、また単独でパフォーマンスが行われるというのは珍しいようにも思える。

 

これらは、きちんと目的があるって感じ。

 

でも、日本で少ないのは、きっと「好意としての演奏」だったり、「楽しむための行動」だと思う。「日本人」でくくる前に例外がいることを置いておくが、多くの日本人は「他人からどう見られるのか」を気にする。たとえば「迷惑をかけてはいけない」なんていい例かもしれない。他人に迷惑をかけないということは他人を気にかけるということであり、他人なくして自分は考えられないのである。うるさいからだめだよ、と通話や会話の声量など電車の中でのマナーであったり、見栄えが良くないよ、と制服や髪型の縛りなど、身だしなみに気を遣わなくてはならないような教育を受けてきたり。

 

だからこそ組織や集団としてのまとまりもより一層強固なものになるのだが、「個人」としての存在感の発揮の方法を知らない、慣れていない、ここに問題があるように思う。

 

小学校とか中学校を思い出してみよう。

頭髪検査ありましたね?朝礼では全校生徒が体育館へ行き、順番で姿勢良く並び、見栄えのいい座り方をさせられましたね?通学や下校ではお世話になっていると同時に地域の人の目に見張られ(もちろん地域のつながりも大事かもしれないが)、挨拶を強制されましたね?(挨拶は大事です)部活動に入らなければならないというルールが存在する学校もありましたね?先生の好みに基づいて「だめ」と言われたこともあったでしょうか?先生の推す進路、不本意な進路選択をしてしまった人もいるでしょうか?何が良くて何が悪いとされているのか?あなたがどう過ごしてどのような道を進んでいくのか、そんなこと周りが決めることではない。

 

しかしながら、そういう選択をしたり、そういう状況になったりするのもまた、多少の「迷惑をかけるから」とか「周りからどう見られるか」とか考えてたりもするからではないでしょうか。逆にYoutubeなどの動画で、ばかみたいなくだらないことをしている人が人気を集めるのは、社会という目に囲まれている自分には到底できないような、でもやったらどうなるのか気になるようなポイントだからというところに理由があるのではと思う。

 

まあ、つまり日本の教育のこういうところが「個人力」の乏しさにつながるように思います。そういう筆者も路上でパフォーマンスする気にはならないけれども、そういう感じじゃないかなあと思います。

 

で、本題に戻すと今回のこのイベント、そもそもなんでこれ書こうかと思ったかは、ちはらさんのインスタグラムのストーリーに「通りかかった人たち上手い」のようなコメントが書かれていて、本当に本当に通りかかった人たちが演奏しているのかと疑問に感じたからです。

 

きっと、仕込まれているんだと思う。ある場面では、ピアノ以外の楽器を持っている人や、モブ特有の演技というか、すこしくさめのジェスチャーをしたりとか、楽譜見ながら連弾していたり、もう、準備万端じゃんということです。

 

個人的な理想を言うとそうじゃないんじゃないかなあと思います。

 

今回のこのイベントは、もちろんフラッシュモブとしての参加枠もいるだろう、依頼を受けて演奏をする人もいるだろう。はたまた通りすがりのプロ並みの腕前の人もいるだろうと見受けられる。

 

できているイベントをやるんでなくて、イベントをでき上げるためにイベントをするのがいいんです。未完全なところを通りがかった人が補う。

今回に関しては、たぶん普通に依頼なんだろうけど、仕込みバレバレな感じで冷めてしまいました。やり始めは仕込みで、便乗してくれる本当の素人待ちな部分もあるかもしれないけど、、、、

 

ま、でも結局はみんなが楽しいのが一番だからそうならいいんだけどね。

でもたまたまを体験出来るリアルな才能が集うようになれば日本のこういう種のイベントは可能性あるよね!!!!そしてその街をもっと好きになることができると思う。